カレッジ・ベンチャー・フォーラム in 京都大学

研究者的思考x起業家的思考
(カッコ内は私的補足)太字は心に響いたところ
Qはコーディネーターの質問、QQはオーディエンスからの質問

Part1:「異分野の融合による新たな概念やモノの創造に挑戦する若手研究者と若手起業家」

コーディネーター: KGC顧問の松本英一さん
1. 自己紹介 2. 異分野融合の研究・起業に関してのパネリストの視点 3. キャリア。起業家の資質、能力
1. 自己紹介

  • 京大情報学研究科の塩瀬隆之さん
    • 変なコミュニケーションを研究している。「伝える」とは?
      • 雑談するコミュニケーションロボット->共同注視の重要性
      • 絵画鑑賞するロボット、目の不自由な人に説明する
      • 異分野交流・産学連携->異文化コミュニケーション
      • 黙して語らずの「わざ」、どう伝わっているのか
    • コミュニケーションのソーシャル・インクルージョン・デザイン
  • ロボガレージの高橋智隆さん
    • ロボットの設計、製造、受注、エンターテインメントショー
    • 作ったロボット: VisiON援竜(災害救助、おっきい)、鉄人28号(キャラクターも。ぴちょんくんも出てきた)、クロイノ(動きの実演あり)
    • 必要性ではなく、ほしいと思えるロボット
    • 外と内(ちょっと意識外れる)
  • ドリコム内藤裕紀さん(Lessig/高橋メソッド風の自己ストーリー、確かにどんどん進んで目が離せない)
    • 作文で夢は発明家と書く、それから起業家へ
    • 会社では企業向けブログ、CMSシステム、ネット広告のblogclick(googleさんと張りあう)
    • NHKクローズアップ現代で第3世代のネット○○と取り上げられる
      • 第1世代=孫さん、第2世代=堀江さん
    • 今はディズニーランドのような街をつくりたい(私には見せ掛けショーという感じがしてしまうのだが)
  • アミタ持続可能経済研究所の牧大介さん
    • 農林水産業の分野で知の流通と人の流通を変革
    • 京町屋に研究室
    • 持続可能社会への総合環境ソリューション
    • シンクタンク・ドゥータンク、実学を大事にする
  • はてな近藤淳也さん
    • 秋の紅葉の集客力を忘れていて、遅刻してしまった
    • 変な会社として紹介されていると紹介

2. 異分野融合の研究・起業に関してのパネリストの視点
Q.異分野融合はそもそも必要か

  • 塩瀬: 同分野で話していても世界が狭い。そもそも気にしていたのは大学?
  • 高橋: 新分野はみな分野の垣根を多少こえている。いわゆる異業者交流会は非生産的、なぜ?
  • 内藤: [異分野融合は?]新しい市場への挑戦
  • 近藤: インターネットはハードな技術だけでなく、ソフトな、人の間の問題も関わってくる

Q.結果としてでてくる

  • 塩瀬: いっこやるには、色々知らないとだめ、近藤さんの話のように。何かやる時、学生は本を読みがちだが、人に会うのが一番いい。結果的に異分野

QQ.自分のやっていることを否定しなければならない時、どうするか(銀塩フィルムカメラの会社がデジカメとどう折り合いをつけるか)

  • 塩瀬: 自己否定のために学生の時異分野交流学会をやった。知れば知るほど、知らないことがわかってくる。継続的に自己否定しているから改めてどうということはない。(フラクタルの成長で総延長が長くなる感じ)
  • 近藤: はてなカウンター vs Google Analytics の話。同じニッチのサービスをGoogleがタダで出してきた。どうするか。真っ先にG-Analyticsに対応した。lossとgainを考える。自社内のものをこわしていくこと。はてなの各サービスのディレクターをコンペで交代している

Q.リスクはどう考えるか

  • 内藤: リスクは楽しいもの。振り返ってあの時が楽しかった、となる。形容詞だから(内容失念)
  • 塩瀬: 研究のためには統廃合というより変なことは避けるという程度。こんなフォーラムに出ていてはダメダメ
  • 高橋: 京大卒の箔をつけておけば何とかやっていけるだろうと。自分が資本

QQ.失敗したら大変な損害が出るような時は。例えばロボット爆発で人が死ぬとか

  • 高橋: もしそうなったらきっとロボット史の教科書に載るだろう。どうしようもなくなったら敢えてその手段をとるかも

Q.近藤さんのモチベーションは

  • 近藤: 人生はひまつぶし。やらないで後悔するよりはやって後悔した方が絶対いい(まさにこれ言われた)。でも、最悪の状態は詳細にイメージしてきた

3. キャリア。起業家の資質、能力

  • 牧: 必要とされているところで積み上げていく

Q.クリエイターの高橋さんの視点は

  • 高橋: 器用さ、技術力。基礎研究は自分はだめだから、コンビネーションパンチャーでいこうと思った
  • 内藤: 起業家に必要な性格は3つ: 楽観的・負けず嫌い・あきらめが悪い人
  • 塩瀬: 石の上にも10年な人。3分経ったら別の石の上な自分はさあどうだか。
  • 松本: 今の時代はそういう人も
  • 近藤: 何でも好きなところがあった。社長は何でもできないといけない。日本のエンジニアの層はうすい、うすい。

Q.困難な時

  • 内藤: 何とかなるという前提に立って考えないと何もできない。今の自分にはできないことを理解する。

QQ.人の集め方

  • 内藤: 自分はエンジニアではない。立命館大学の学生全員がやる宿題で、ホームページを作れというのがある。それを見て、これぞと思う人をスカウトした。親のところへ行って談判とかまで。大事なのは目標など共有すること。周りの人に伝える。

Q.能力がのびる瞬間

  • 高橋: 昼はぐうたらしてる。今もぐうたらモード。夜、寝れないなぁという時、タービンが回りだすような音が頭の中でしてきて、

Q.パネリストが考えている将来のキャリアは

  • 塩瀬: 今、流されっぱなしではある。自分が好きなこと、おもしろいことをやっていけば他の人も[ついてくる?]
  • 高橋: とりあえず好きな活動を続けていく。いずれ一家に一台ロボットをの時代がくる。その流れの大元にいたい、流れを形作りたい。歴史に残りたい。国家鉄腕アトム計画が発足したならば、そのメンバーに呼ばれるような人に。
  • 内藤: 自分がこういうことをしたいと言ったら、より多くの人が手を上げてくれる人に
  • 牧: 持続可能社会へと、しかけをうっていく。人を育てる。人のネットワークのもとじめになりたい
  • 近藤: 世界を変えるぞという気概ではてなはやる。まだ世界は変わっていない。手付かずに残っている部分が多い。やわらかい頭で、広く、はてなというかたまりで
  • 松本: 自己へのチャレンジを

Part2:「次代を創造する経営者像」

コーディネーター: グロービス・グループの堀義人さん
1. 自己紹介 2. 転機・成長した時 3. 将来 4. Q&A
1. 自己紹介

  • マクロミルの杉本哲哉さん
    • マスコミ志向だったが、リクルート
      • 「自分で為した人に取材するより、自分で為して取材される人に」といわれて
    • 起業の意志があった訳ではないが、楽天etc.の上場に、できるんだと気付き
    • インターネットによるマーケティング調査をしている
  • ぱどの倉橋泰さん
    • 昭和46年(1971)工学部入学、もう老舗になってしまった
    • 大学->会社->LAに転属
      • ぱどの着想を得た
        • みんな新聞をとっていない。クーポン付の水・金曜を買う。時は83年(?)24時間ニュースがTVでみられる。アメリカで起こったことは日本でも起こる
      • アメリカはレイオフの時代だった
        • メキシコなどに移転、必要に応じて人を雇い、レイオフ
        • 手に職をと思って、起業
  • TACの斉藤博明さん
    • 座禅やったり、インドを放浪したりしてた
      • カースト制のなかでハッピーに生きているおじいちゃんを見て、自分が日本でいかに恵まれているかを認識した
    • 自分ひとりで生きていこう->強さを身に付ける。公認会計士
    • その当時、会社のあり方が間違っていると感じた。いずれ会社と個人が対等の関係になる時がくる。それをみすえて
    • 日本で一番強い公認会計士を育てるところを作ろう
  • ライフサイエンスマネジメントの木村廣道さん
    • 中国やアメリカでは前のほうから座っていって、マキシマムのものをもって帰ろうとする。日本はそこがなってないね

2. 転機・成長

  • 杉本: 上場が目標というわけではなく、本業で食っていきたいと思っていた。まだインターネットを使って、と説明しても一笑に付されていた。8ヶ月ぐらいで、軌道に乗り始めた。タイミングがよかった。ITが注目された。
  • 倉橋: 社内ベンチャー第一号で、プラザ合意の後だった。ベンチャーの募集に、ぱどの案を出した(前からリサーチはしていた)誰もYとも言わず、Nとも言わず、二年間眠らされた。採用されたが、社長が亡くなり、新社長はNという。(家の前で張り込み、おじいさんと孫が入っていく後から)社長の家にあがりこんで説得、最後には自分たちで会社を買った。トップに二人いたので、はじめどっちにも行けず決断が遅かった。(ここが転機とのこと)トップが独りになって早くなった。いつも土壇場いつも正念場(もう一つ、いつも○○があったのだが聞き取れず)
  • 斉藤: 別の会社も参入してきた時
  • 木村: これからはバイオ・ヘルスケア

3. 思いえがく将来は、モチベーションは

  • 杉本: よいものを作って世の中に広めたい。クライアントに感動を与えること。吉野家の牛丼を食べると感動する。それから、従業員を楽しませること。楽しくないと、優秀な人をひきとめていくことはできない。ふっと辞めていく。
  • 倉橋: 情報を通して人と人をつなぎ、人とまちをつなぎ、元気にする。人が喜んでくれることでないと仕事を続けられない。世の中に役立つこと=ロマン、もうかること=ソロバン、楽しくやれること=ジョウダン。プルはネットへ、リアル媒体(電車の中吊りとか)はプッシュ、ネットへつなぐきっかけへ、すみわけになる。紙からネットへのところ[をやる]
  • 斉藤: ずっと右肩上がりだった(自分もそうなので申し訳ないが、よく聞き取れないしゃべり方をするひとだったので、メモを怠ってしまった)
  • 木村: ベンチャーでは大きな金が動く。ムリをしている。大きな話にのせられないように

4. Q&A
QQ. 文系の学生は何をすれば

  • 木村: 本当の経営者は日本にはいない。深めたら結構なところまでいける。
  • 堀: 経営者としての職能は大事

QQ. IT、バイオの次は何

  • 杉本: 教育。人間を育てるということ
  • 倉橋: 一次、二次、三次産業という流れで考える。教育・宗教・心のケアとか。ニッチはあちこちにある
  • 斉藤: 自分がどうするかを考える。時代を見る訓練をしよう。10年まえから今を見るとか。それと自分の強み、自分が何をしたいかはまた別だが、
  • 木村: QOL産業

5. 最後の一言

  • 杉本: どこに立っていたいかというビジョンをもっておく。金なのか名誉なのか家族の賞賛なのか
  • 倉橋: やるべきことをやる
  • 斉藤: 今の時代との出会い、人との出会い、偶然との出会い。人との出会いを大切にする人が、うまくいく人
  • 木村: ベンチャーやろうというような人間はエナジーレベルが高い。お手本がない。自分で考えること
  • 最後に: 雪だるまを作るときは、芯を固めて固めて、透明になって湯気が出るほど固める。1%でも光が見えたら、信じて周りなんかみずにがむしゃらにやる。10%50%と見えてきて、100%になる。今が、ものを考えられる時(最後のスピーチはよかった。レコードしておきたいぐらいだったが忘れた)