Lojbanって何だろう?.i la lojban. mo : 語形

| 目次 |
Lojbanの単語の形は極めて規則的です.音韻規則も合わせると、一連の音声をあやまりなく単語に区切ることができます.
Lojbanには三種類の単語があります:
cmene 名前
brivla '述部'の単語
cmavo '構造'の単語

cmene

名前、もしくは cmene は、他の言語における名前ととてもよく似ています.名前はものや人につけられたラベルで、名指しで呼ぶときや描写の時にそのものや人を表します.その名前自体にも意味があって、何を指しているかを具体的に説明しているかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません.名前はとてもパーソナルで個人的なものですから、Lojban では最小限の変更でもとの言語での名前を使えるようにしようとしています.それでも、あいまいさを避けるために、ほとんどの名前はある程度 Lojban化される必要が出てきます.Lojban化された cmene の例をあげておきます:

djim.	 	Jim
djein.	 	Jane
.arnold.	 	Arnold
pit.	 	Pete
katrinas.	 	Katrina
katr,in.	 	Catherine
katis.	 	Cathy
keit.	 	Kate

cmene はどんな音の並びでもかまいませんが、必ず子音で終わっていなければなりません.発音の際にはあとにポーズをおきます.また、大文字によってアクセントが指定されていない限り、強勢は最後から2番目の音節におかれます.一つの cmene が複数の単語をポーズでつないだもののこともありますし、ポーズ無しにひとつの言葉とすることもあります.つまり、 djan. djonz. /jahn.jonz./ と djandjonz. /JAHNjonz./ は共に John Jones を正しく Lojban化した cmeneとなります..iunaited. steits. や .iuNAItet,steits. それに .iunaitet,STEITS. も同様に United States の(自由にアクセントをつけた)正しい Lojban化となります.最後の例で、ポーズをいれずに一つの言葉として続けて表記する場合には、/NAI/ または /STEITS/ の大文字化によって強勢を示さなければなりません.どちらも最後から2番目の音節ではないので、特別に示す必要があるのです.
注: Lojban の音の並びでは有声子音(d など)がポーズを挟むことなしに無声子音(s など)の隣に来てはいけないことになっています.このために、United States を一続きの単語に翻訳する場合には .iunaitet,steits. になり、二つの単語にする場合は .iunaited.steits. のように d がそのまま使われることになります.
どういった cmene にするかを最終的に決定するのは名前を考える人です -- 多くの文化では自分の名前のスペルと発音を決める権利をそれぞれの人がもっています.ですから、英語の Mary は meris.、maris.、 meiris.、さらには marys. のように様々にLojban化できます.一番最後の例では発音が元の英語とは少しばかり違ってきますが、発音の一致よりつづりを重視する人はこちらを選ぶかもしれません.最後の文字は s である必要はありませんが、Lojban に使われる子音のどれかでなければなりません.
cmene には la、lai、もしくは doi が中に使われてはいけないことになっています.というのも、cmene は常にこれらの単語、もしくはポーズの後にくるからです.もしどれかが使われていたら、その cmene は Lojban の単語とそれを除いた、それも間違った cmene に分解されて解釈することが可能になってしまいます.こうした問題を引き起こさないように、代わりに ly、lei、do'i を使うことができます.

brivla

「述部」をつくる単語、もしくは brivla は Lojban の心臓部です.「述部」 すなわち bridi については次の文法セクションで詳しく取り上げます.Lojban においては brivla が意味の定義の大部分を担っています.英語で同等の位置を占めるのは名詞、動詞、形容詞、副詞ですが、Lojban の文法ではすべて同じように扱われます.

brivla は次の特徴で見分けることができます:

  • 一つ以上の音節を持つ
  • 最後から二番目に強勢がおかれる
  • 子音のかたまり(2つ以上の連続した子音)が一番目と二番目の音節の間にある
  • 母音で終わる

子音のかたまりについては、y の字は無視されます.子音の間にはさまっていても無視されるので、 lobypei /LOBE,uh,pay/ は b と p が離れていても brivla ということになります.

brivla は作られ方によって3つに分けられます:

gismu Lojban の「根」「プリミティブ」; e.g. klama
lujvo gismuの組み合わせ、もしくは略.意味はもとの gismu から決定される; e.g. lobypli
fu'ivla 他の言語からの「借語」で、brivla であることの基準を満たすようにLojban化されたもの (cmene のLojban化と同様) ; e.g. cidjrspageti 「スパゲッティ」 (見かけよりは発音は簡単!)

brivla は意味がたった一つだけ定められており、それぞれの場所構造によって表現されます.この概念については意味論と文法のセクションでさらに詳しく取り上げます.

gismu

gismu は Lojban の基本となる語根です.幾つかの基準を満たすように各語が選ばれています:

  • 他の言語における出現頻度
  • 複雑な概念をつくるのに便利であること
  • それから、gismucmavolujvoのように、Lojban 特有の基礎概念を表す語

gismu はきっかり5文字からなり、次のいずれかの子音-母音パターンになっています: CVCCV もしくは CCVCV (e.g. rafsi, bridi). gismu は周りがうるさくてもなるべく聞き間違いをしないように作られています.

lujvo

Lojban で gismu にない概念を言おうとするときには、tanru を用いて表現します.tanru は英語における「メタファー」の概念をさらに洗練したものです.Lojban では、どんな brivla も別の brivla の意味を改変するのに使えます.二組のうち最初のものが二番目の意味を変えますので、英語の副詞や形容詞のようなはたらきをさせていると言えます.例えば skami pilno は「計算機の使用者」を表す tanru です.

tanru で表現された概念が有用なものだったり、よく使われるものであったりするならば、その tanru の意味の複数ある候補のうち一つを選んで新しく一つの brivla にするのが望ましいとされています.先の例ならば「計算機の使用者」という意味を選び、tanru skami pilno をもとに、 brivla として新たに sampli という語をつくります.このように2つ以上の gismu から作り出された brivla を lujvo と言います.

gismu のように lujvo には意味は一つしかありませんが、様々な形をとることがあります.gismu にはそれぞれ2つから5つの rafsi と呼ばれる省略形があり、lujvo を作るときにはこの中からどれかが選ばれるためです(e.g. skami は sam、skam という省略形、pilno は pli、piln という省略形をもつ).より長い rafsi が使われることもあります.そうしてできた lujvo はスペルも発音も違いますが、短いバージョンの lujvo と同じものと見なされます.このため、例えば brivla という lujvo は bridi valsi という tanru からできていますが、別の rafsi のコンビネーションを使った、brivalsi、bridyvla、bridyvalsi も同じ lujvo であるということになります.

fu'ivla

tanrulujvo を使っても表せない概念もあります.例えばとても具体的で明確な言葉(e.g. ブリーチーズ、コブラ)や、とても狭い分野でしか通用しないジャーゴン(e.g. クォーク積分、弱強5歩格)などです.これらの言葉は突き詰めていえば、ある概念の、別の言語における「名前」と考えることができます.植物や動物、食べ物、科学用語の大部分は tanru で簡単に言い表すことはできません.ですから、元の言語から Lojban へとこれらの語を fu'ivla と呼ばれる形で「借りてくる」(実際には、コピーしてくる)必要があります.

借りたきた語はいくつかの許された fu'ivla の形に合うようLojban化される必要があります.次に rafsi が語頭に付け加えられます.たいていは音節をなす子音をつけることによって、借語が二つの別々の語と解釈されてしまうのを防ぎます.この rafsi によって fu'ivla の意味が制限されたり分類されたりします.そうしないと、元の言語では複数の意味を持っている語の場合(根(こん)など)、fu'ivla がどの意味を担っているのかが分からなくなります.fu'ivla も他の brivla 同様、複数の定義をもつことは許されていません.

cmavo

cmavo は Lojban 言語をひとつにまとめる骨組の役割を果たす語のグループです.それ自体には具体的な意味はほとんどありませんが、一緒に使われる brivla の意味を変えることはあります.cmavo には英語でいう冠詞、接続詞、前置詞、数詞、句読点が含まれます.
ある語が cmavo かどうかは、それが cmene でも brivla でもないことによって分かります.つまり、

  • 音節が一つの場合がある
  • y を数えるか数えないかに関係なく、子音のクラスターは絶対に含まれない.
  • 母音で終わる
  • 最後から二番目の音節に強勢がおかれている必要は無い.(1音節以上の語ではその場合が多いが)

すべての cmavo は次に示す母音 V と子音 C のパターンにあてはまります

V VV V'V CV CVV CV'V

このパターンは各々の cmavo の文法上の役割とは関係はありません.
一続きの cmavo は間にスペースを入れずに書いてもその意味は変わりません.そのように書かれたものは合成cmavoと呼ばれます.例えば、0から9の数字を並べて2桁以上の数を表しているとき、スペースを入れずに一つの単語として書くことができます(e.g. pareci = pa + re + ci = '123').
 注: しかしLojban のアクセント法則に関しては、これらは別々の単語として扱われます.ですから parece は paREci のようにアクセントがおかれるわけではありません.
tanru に使われる一部の cmavorafsi を持っています.その tanrulujvo を作る際に使えるようにするためです.
| 目次 |