ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙

ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙

ref:文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)(p660)
finish: 050530
最初に読んだのはソフィーと同じ、14歳の時。おまけに誕生日も同じ。二度目に読み始めたら冒頭すぐ、ソフィーの世界では「五月になってまだ日も浅く」、とのこと。私は七年前から変わっただろうか?

気になる言葉

p10, だれ あなたはだれ？
p12, 選ぶ
p14, 世界はどこからきた？
p27, 驚く
p33, たった今黒いシルクハットから引っぱりだされた世界っていう兎の毛の奥で
p28, ソフィーがソフィー自身に驚く
p43, 人間は[...]説明なしには生きていけないのだ
p93, アテナイのジョーカー
p95, わたしは、自分が知らないというたった一つのことを知っている（ソクラテス）
p117, 理性、理性は、永遠や普遍にかかわることしか語らない
p304, 完全

質問集-自然哲学者たちとソクラテス・プラトンとアリストテレス

あなたはだれ?(p10)
世界はどこからきた?(p14)
あらゆるものをつくっているおおもとの素材はあるか?
水はワインに変われるか?
どうすれば土と水は生きた蛙になれるか?(p45、自然哲学者たち)
なぜレゴは世界一、超天才的なおもちゃなのか?(p62、デモクリトス）
あなたは運命を信じる?
病気は神々の罰?
どんな力が歴史の流れをコントロールしている?(p69、運命）
自然な羞恥心はあるか?
もっともかしこい人は、自分が知らないということを知っている人だ。
正しい認識は自分のなかからやってくる。
何が正しいか知っている人は、正しいことをする。（p83、ソクラテス）
ケーキ屋はなぜ五十個もの同じクッキーを焼けるのか?
なぜ馬はみんなそっくりなのか?
きみは人間には不死の魂があると信じますか?
女と男は同じように理性的か?(p106、プラトン）
鶏と「鶏」というイデアと、どっちが先か?
人間は生まれながらにイデアをもっているか?
植物と動物と人間の違いは?
なぜ雨は降るのか?
いい人生を生きるために必要なものは何?(p131、アリストテレス)

ヘレニズム

現代に似た国際共同社会の時代

• キュニコス学派｛アンティステネス、ディオゲネス｝は物質生活のミニマリスト（シニシズムという言葉につながる）
• ストア派{ゼノン、マルクス・アウレリウス}は一元論のコスモポリタン、永遠の自然法を説く、すべては必然（ストイックという言葉につながる）
• エピクロス学派{エピクロス}神々を恐れることはない。死を思い煩うことはない。善はたやすくえられる。恐怖はたやすくたえられる。（エピキュリアン）
• 新プラトン学派{プロティノス}神、あるいは一者の光が闇を照らす。人間の魂はこの炎から飛び散る火花。プロティノスの神秘的体験の中で魂が神と溶け合う体験をした。神秘的体験は人間のあらゆる時代と文化で記録されている。

二つの文化圏

文化圏	宗教	神	大切なこと	歴史観	神と被造物	救われるべきもの
インド-ヨーロッパ	ヒンドゥー教・仏教	多神	見通すこと、見ること	回帰的	汎神論	魂の輪廻から
セム	ユダヤ・キリスト・イスラム	一神	聞くこと	直線的	断絶する	罪と罰から

三千年を解くすべをもつこと（ゲーテ)・・・それがわかってこそ、きみは空っぽの空間の根無し草ではなくなるのだから（アルベルト）

4-14c, 中世

政治と文化: キリスト教単一文化で暗黒時代でもあるが、修道院・大学・民話・ステンドグラス・オルガン・十字軍・医術も生まれた。
ギリシア哲学が三つの流れに分かれてひきつがれた千年。新プラトン派-西ローマ、プラトン-東ローマ、アリストテレス-イスラムへ。

• アウグスティヌス: 新プラトン派のキリスト教徒と考えられる。イデアを神のものとした。人間は肉体と霊からなっていて、永遠の罰をうけている。だが一部の人はあらかじめ救われることにきまっている。歴史は直線的に、(一人一人のなかで)地上の国と神の国との戦いの場であるとされる。
• トマス・アクィナス: アリストテレスとキリスト教を考えた人。理性と観察によって得られる真理は、より大きな、聖書の真理に含まれる。生命の梯子の最上段に神をおき、その次に天使、人間と続く。ぼくたちにとって数週間が過ぎることは、神にとっても数週間が過ぎることを意味しない(p238)

中世のヒルデガルトとソフィーとアルベルト

15-16c ルネサンス-源に戻れ!

政治と文化: コンパスと鉄砲と印刷物に支えられた
三つの流れが一つになった時代。ヒューマニズム・人間中心主義による新しい人間観は、人間を無限に大きく価値あるものとし、生活のあらゆる分野にかかわりをもつような人を理想とした。ガリレイ、フランシス・ベーコン、コペルニクス、ケプラーは経験的方法であたらしい科学をした。地球は宇宙の中心ではなくなったが、相対的な無数の中心-人間-があるのだともいえる。
宗教改革{ルター、エラスムス}ルターは本来のキリスト教に戻り、聖職者を介さず個人と神の関係を大切にしようとした。

17c バロック-カルペ・ディエム(今を楽しめ)、メメント・モリ(死を忘れるな)

デカルト、スピノザ、ロック、ヒューム、バークリ。

18c 啓蒙主義

権威への反逆、理性の時代、啓蒙運動、文明楽観主義、自然に帰れ、自然宗教、人権。カント、モンテスキュー、ヴォルテール、ルソー、オランプ・ド・グージュ。

18c終-19c中 ロマン主義

感情、想像力、体験、あこがれ。ヴェルゲラン、ヴェルハーヴェン、ノヴァーリス、シェリング、ヘンリック・ステフェンス、ヨーハン・ゴットフリート・ヘルダー、イェーナー、イプセン、アンデルセン。
ヘーゲル

19c中-

キルケゴール、マルクス、ダーウィン、フロイト

20c

実存主義。ニーチェ、ハイデガー、サルトル、ボーヴォワール。新トマス主義、分析哲学、論理実証主義、新マルクス主義、ネオダーウィニズム、精神分析、唯物論。オルターナティヴ運動、ニューエイジ、新宗教、新オカルティズム

ビッグバン

わたしたちは、何十億年も前にともされた巨大な火から飛び散った火花なんだ

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ソフィーのガーデンパーティに「セシーリエ」という女の子が来ている。これって鏡の中、神秘の国へのセシリエ?
最後はキーワード羅列にしてしまった。今頭の中にある疑問の渦を消さないようにするのだ。そのうち原書で読むぞ。