他人の心を知るということ (角川oneテーマ21)

他人の心を知るということ (角川oneテーマ21)

他人の心を知るということ (角川oneテーマ21)

bbb: めについた
ref: ロープ [DVD] p206 ヒッチコック 心の理論をもっていないと成立しない映画
h361.4||T||17
我々の行っているコミュニケーションに伝えるべきものなどない。手渡される意味などない。コミュニケーションとは、様々な制約のもと時空間的なパターンをつくり出すような行為である。そして、それを手がかりに相手の伝えたいこと、意味を推測しているのだ。
コミュニケーションには、言葉以外の身体動作も役立っている。言葉は、私たちが内的にもっている意図を公然のものにする役割をもっている。
本質的には知ることのできない、他者の認知環境を推測し、その推測の正しさを連続して賭けていくことこそが、コミュニケーションの本質である。
正確原理、シャノンのコミュニケーション論にもとづくコミュニケーション論に対して著者は誠実原理によるコミュニケーション論を説く。お互いに相手の意図を明確に、真剣に、誠実に、賭けるのだ。コミュニケーションとは、真剣にやりさえすれば危険と背中あわせのスリルに満ちた、他者の心をめぐるゲームなのかもしれない。

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はじめは、伝達される意味などないのだ、とか他者の意識はわからないのだ、とか耳にたこなことが続いて面白くなさそうだったけど、コミュニケーションは賭けなのだ、という宣言はぞくぞくした。私はこのゲームが下手なような気がする。下手の横好き、好きこそ物の上手なれ、ことわざは都合がよすぎる。