WorldChanging: 未来は今から始まる

WorldChanging: Another World Is Here: The Future Starts Now
WorldChanging レトロ・シリーズの一つ
元々Amor Mundi の記事で、Dale Carricoによるもの

  • 今開発されつつある新しいテクノロジー(例えばナノテクノロジー)が発展途上国の貧困などのような社会的・政治的問題を改善するのに使われるのは必至だ
    • だが、そうしたナノテクは世界の80%をしめる貧困層のもとには届かないかもしれない
      • 現実を見る; マラリア・AIDS・新生児死亡率の状況はひどい
    • ナノテクノロジーで解決できる方法はすでに存在しているか、開発中であったりする
      • CRN(Center for Responsible Nanotechnology)ではラディカルでロバストなテクノロジーを研究し、その可能性と問題を模索している
  • だが、テクノロジーの発達自体よりもっと根本的な問題があると言いたい; 相手はグローバルな貧困と不正義の問題、文明規模の問題なのだから
  • まず申し開きを: 技術進歩主義 technoprogressive のナノテク啓蒙者らが、テクノロジーに満ちた夢の仮想未来を描いてみせて問題をぼやけさせている、というつもりではない; 彼らの多くが(私もその一人ということになると思うが)今手元にあるツールでやれることをやろうと言っていることは理解している
  • だが、そうした態度と、実際に将来最先端テクノロジーを実世界の問題に適用することとの間には緊密な関係がある
    • 現在でも水のフィルターや蚊帳など、コストがゼロに近いもので解決できる問題はたくさんある; それらを使うことが今できないならば、将来さらに安く強力なナノテクノロジーが登場しても実際に使われて問題が解決されるかは疑わしい
    • つまり、未来の比類ないナノテクに囲まれた世界の人々は、自分たちが未来にいるとは思わないということ; 私たちが今自分たちを、過去の人々が想像した未来ではなく、現在に生きていると思っているように
    • グローバルな問題を不完全にでも解決するツールが存在するならば(そしてそれは現に存在する)、それを今使っていくことが、未来のツールが未来の人々によっても使われていくことを保証する
    • 直感に反するかもしれないが、安価な殺虫剤処理した蚊帳は、未来のナノテクと大いに関係があるのだ
  • 貧困や病気の問題を抱える多くの途上国がナノテクに敏感で、投資を重点的に行っているが、貧しい人々が直接恩恵をうけるような研究や応用に投資されていることは少ない
    • 政府は国としての企業競争力を上げるために投資していることが多い
    • そのような「企業競争力」への偏執的な取り組みのために、政治的に恵まれた一部の人々を優遇するという現在の社会経済的順位制ができあがっている; 現在がそうならば、未来永劫変わらないであろう
  • テクノロジーの発達は人間の力を直に反映する: 社会の不公平・不平等を悪化させもし、問題を緩和するのに使われもする; 今手元にあるツールを使って解決できる問題を解決することを優先しない限り、テクノロジーを信頼できる未来はやってこない: その未来はまさに今なのである