WorldChanging: 地図は地形に非ず、シムはシティに非ず

WorldChanging: Another World Is Here: The Map is not the Terrain; the Sim is not the City
レトロシリーズの一つ

モデリングとシミュレーションによって複雑なシステムを理解することができるが、取りこぼしもでてくる。より現実的なものにしていくには使われているエンジンをオープンにするのも手ではないか。

例としてシムシティを取り上げたのが「地図は地形に非ず、シムはシティに非ず」の記事:

  • 現実のモデル化には必ず仮定がおかれるものだ
    • 場合によってはきちんとその仮定を明文化している
    • おしゃれなグラフィックやアニメーションで上塗りしていることもある
      • SimCityは広く知られ、楽しまれているが、ゲーム以上のものとして受け取られていることもある
        • 学校教育や学術論文、(うわさによれば)行政の計画部門にも登場する
  • The Next American City の記事 Playing With Urban Life: How SimCity Influences Planning CultureSimCity の歴史、応用、モデル上の仮定の概観がされている
    • モデルやシミュレーションによってプランナーが都市をどう見るかにどんな影響があらわれるかがよくわかる
  • プレイヤーは市長として、「神モード」でプレイする
    • 大成長と大破壊が市長としてとれる両極端の行動となる
  • ゲームの肝となる楽しみ方は都市デザインの一般的ビジョンには程遠いものになる
    • アメリカにおける開発事業のもっとも極端な例にはあてはまる
      • 強権力的な市長が都市再開発プロジェクトを遂行したり
      • 砂漠や農地の真中に大規模なコミュニティを計画してつくる
  • SimCityの狭められたレンズを通して見えるのは、都市開発の半分でしかない; にもかかわらず都市プランナーたちは15年間このレンズを通してものを見、影響されてきた
  • ここで言われているようにゲームとして作られていること(神モード)も問題だが、多くは大元のモデルに手を加えられないことからくる
    • 住宅・商業混在型の建築物を許す、各サービスの需要を変える、徒歩による移動でもかまわないことにするなど
    • 90年代後半のニューアーバニズムのモデルを取り入れたりすることはできず、勉強中のプランナーには無いも同然となる
    • フリー/オープンソースが理想的だろうが、データの形式の情報やモデルを改変できるツールだけでも充分だ
      • 外観については既にそういったツールがあるのだから
  • シミュレーションゲームではカオスのふちで繰り返し再認可能な環境で遊ぶことができる
    • SimCity のように都市という大きなシステムの中で原因とその効果の複雑な関係をのぞくことができる
  • だが教育ツールに使うにはモデルが透明で変更可能でなければならない
    • システムの効果だけでなく、システム自体を遊ぶことができなければならない