コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学
- 作者: G.M.ワインバーグ,木村泉,ジェラルド・M・ワインバーグ
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1990/12/01
- メディア: 単行本
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読者自身もしコンサルタントであるか、またいつかコンサルタントを使う可能性があるのなら、この本は読者のためのものだ。これはずいぶん広い読者層である。というのは、今日ではほとんど誰もがある種のコンサルタントだからだ。[...]コンサルタントの仕事とは、私の定義によれば「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」というものである。人々はある種の変化を望み、またはある種の変化を恐れてコンサルタントの何らかの形の手助けを求めるのである。
[...]
この本は、影響してくれという要請をめぐる、一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、私の発見を述べたものである。それがコンサルタントの秘密である。[...]実はこの本はわれわれのこの非合理的な世界の中で混乱し、それについて何かをしたいと思っているすべての人々のための本なのである。
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人間からなるシステムについての博物学、と言えるかもしれない。ここに沢山挙げられている法則を説明してくれるのが、「サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)」かもしれない。「一見どう見えようとも、それはつねに人の問題である」から(コンサルタントの第二法則)。いくつかメモ:
- ゴーマン法則(The Bolden Rule)
- なおせなかったら機能にしてしまえ。
- 価格設定の第四法則(The Fourth Law of Pricing)
- 価格設定は零和ゲームではない。*1
- オレンジジューステスト(The Orange Juice Test)
- それはできますよ。で、それにはこれだけかかります。
- 五分間の法則(The Five Minute Rule)
- 依頼主はつねに自分たちの問題の解きかたを知っている。そしてその解答を、最初の五分間の間に口にする。
- 信頼の第二法則(The Second Law of Trust)
- 信頼を勝ち得るのには何年もかかるが、失うのは一瞬だ。
- ダンカン・ハインズの違い(The Duncan Hines Difference)
- 自分の卵を入れると、味がよくなる。
- フィッシャー((進化生物学者で遺伝学者で統計学者の
- //en.wikipedia.org/wiki/Ronald_Fisher" title="wikipedia">フィッシャー))の基本定理(Fisher's Fundamental Theorem):よく適応すればするほど、適応力を失いがちだ。
- ボールディングの逆行原理(Boulding's Backward Basis)
- ものごとがそうなっているのは、そうなったからだ。
- ワインバーグのふたごの法則(Weinberg's Law of Twins)
- たいていのとき、世界のたいていの部分では、人がどれほどがんばろうとも意味のあることは何も起こらない。
- 逆転ワインバーグの法則
- ときにより、ところによっては、目立った変化が起こることもある--特に人がそのためにがんばっていないときには。
amazon:G.M.ワインバーグの著書の書評によくかかれているけれど、彼の著書はコンサルティングのような狭い分野に限定されない(人間世界での)普遍性をもっている。私たちは人間社会という海の魚で、ときにあっぷあっぷしながら暮らしているから。
*1:売る人買う人両方がいい気分になる価格がある、ということ