天才と分裂病の進化論

天才と分裂病の進化論

天才と分裂病の進化論

bbb: 忘れた
二足歩行をして、大きな脳をもち、道具を使っても、それは人間とは言えない.
人間が人間に、変化を求め、ゲイジュツや宗教にうちこみ、狂気をもつようになったのは統合失調症にかかわる遺伝子がキーなのではないか、という話.とくに、脳のシナプスのリン脂質代謝を調節するたんぱく質をコードする遺伝子.
そういうミクロなレベルでの反応系の変化は知能に実際影響する.そのあたりの遺伝子操作をしたドゥギーマウスとメンサマウスは学習や記憶が格段に飛躍したと書かれている.
歴史上大きなはたらきをした人、家系には統合失調症またはそういう傾向の人が多い、.また、統合失調症は人種に関係なくほぼ同じ割合で発生する.
魚油に含まれる脂肪酸、エイコサペンタエン酸を投与することで統合失調症の症状を和らげることができたというのは興味深く読んだ.
論理の立て方はとても説得性があるように思える.
最後に、専門化について

ゲノムや分子生物学への執着は袋小路にはいりこむ危険性をはらむ.狭く限定されたアプローチでは解決にいたる多くの手がかりを見落とすことになるからだ.広く心をひらき、異なった次元での観察や説明を統合して考えようとする者だけが、われわれが直面している問題に大きな影響を与えることができるだろう.

前後の文章というものがあるから、抜書きするのはいつも迷う.